毎朝Macを立ち上げて、いつもの作業画面を開くまでに何秒かかりますか?
僕は8秒です。もっと言えば1クリックで全ての画面を表示しています。この動画をご覧ください。
1クリックで4つのサイト、さらにメールとメモアプリも同時に開いていることがわかると思います。
この方法超便利なんですが、おそらくこの記事を読んでる多くの方が、1つ1つアプリを立ち上げていると思います。
ということで今回は、1クリックで複数のアプリを一気に立ち上げる方法を紹介します。この記事を読みながら実践すれば誰でも簡単にできますのでぜひ。Macユーザーの方は必見ですよ!
- Macで複数のアプリを使ってブログを書いている方
- Macで複数のウインドウを使ってプログラミングを学習している方など
1クリックでアプリを開く方法
今回紹介する方法は特殊なアプリを使う必要はありません。
Macに標準でインストールされているターミナルとテキストエディットを使います。
ターミナルを使うことで、様々な操作を施すことができます。今回紹介するアプリの立ち上げもその操作の1つです。
具体的な流れとしてはこんな感じです。
1.テキストエディットでコマンドファイルを作成
2.コマンドファイルのアクセス権限を変更
簡単2STEPですね!準備作業自体も5分くらいで終わっちゃいます。
紹介するコマンドは全てコピーできるので、ぜひこの記事を見ながら皆さんも実践してみてください!
1.テキストエディットでシェルスクリプトを作成
まずテキストエディットでコマンドファイルを作成します。
コマンドファイルとは、ターミナルで開くためのファイルくらいに思っておいてください。
まずテキストエディットを開きます。

Spotlight(command + スペース)でテキストエディットと入力するか、Finderのアプリケーションフォルダーからテキストエディットをダブルクリックして開きます。

こんな感じの画面がでるので、左下の新規書類をクリックします。
ここにターミナルに命令させたい文を書いていきます。今回はアプリを開くための命令を書いていきます。

まずは以下のように入力します。
open -a mail
これはメールアプリを開くための命令です。
openはファイルを開くためのコマンドです。-aはアプリケーションを開く時に使います。その後ろに1つ半角スペースを開け、アプリケーション名を入力すると、そのアプリケーションを開くことができます。
入力したらcommand + Sで保存します。ファイル名はなんでもいいですが、必ず拡張子を.commandにしてください。エンコーディングはUTF-8でOK。今回はtest.commandとしてデスクトップに保存します。

2.コマンドファイルのアクセス権限を変更

この段階で先ほどの.commandファイルを開いても、上記のようにアクセス権限がないため実行できませんと表示されるはずです。
ということで、適切なアクセス権限を与えてあげます。ターミナルでの作業に移りますので、ターミナルを開きます。

Spotlight(command + スペース)でターミナルと入力するか、Finderのアプリケーションフォルダー内のユーティリティフォルダーにあるターミナルをダブルクリックして開きます。

開くと、こんな感じでごちゃごちゃと英語が出てくると思います(若干違うかもですが、大体こんな感じだと思います)。一番下の行がこんな感じなら大丈夫です。
user@Macbook Pro ~ %
userの部分にはあなたのユーザー名が、Macbook Proの部分にはMac本体の名前が表示されます。%の部分は$の方もいるかもしれません。
この%もしくは$の後ろに、アクセス権限を変更するコマンドを入力します。以下を入力してReturnキーを入力してください。(chmodより後ろの部分)
user@Macbook Pro ~ % chmod u+x desktop/test.command
chmodはchange modeの略で、アクセス権限を変更するコマンドです。
chmodコマンドは、「chmod a b」の形式で入力します。aにアクセス権限、bにファイルを入力します。aの権限をbに与えるということです。
今回のaのアクセス権限はu+xです。uは所有者権限、xは実行権限を与えるということです。それを+で連結しています。
bのファイルは先ほど作成した、デスクトップにあるtest.commandです。
これによって、適切なアクセス権限が与えられ、作成したtest.commandを実行することができます。早速デスクトップにあるtest.commandをダブルクリックして実行してみましょう。
…どうですか?メールアプリが開いたと思います。(もともとメールアプリを開いていたら実感できないと思うので開いている場合は一旦閉じてください。)
これが一連の流れです。
1クリックでいつもの作業画面を開く方法
流れがわかったところで、複数のアプリを一気に開く方法を解説していきます。とはいってもここまで読めばもう簡単です!
先ほど作成したコマンドファイルには、複数の命令をまとめて書くことができます。
なので、
open -a safari
open -a mail
open -a skype
のように入力して実行すれば、Safari、メール、Skypeを一気に開くことができます。
さらに、
open -a safari https://reiwa-ni-ikiru.com
のように、アプリケーション名の後ろに開きたいファイルやURLを入力することで、そのアプリでファイルやURLを開くことができます。上の場合では、Safariで当サイト(https://reiwa-ni-ikiru.com)を開きます。
また、
open -a textedit desktop/test.txt
のように入力すれば、テキストエディットでデスクトップにあるtest.txtを開くことができます。
これらの知識を盛りこんで、コマンドファイルを作成し、アクセス権限を変更することで、いつもの作業画面を1クリックで開けるようになります。
僕はこんな感じで作っています。Youtubeを見ながらブログを書く用のファイルです(笑)
最初に掲載した動画の中身はコレです!
open -a safari (wordpressのURL)
open -a safari https://reiwa-ni-ikiru.com
open -a safari https://twitter.com/home
open -a safari https://www.youtube.com
open -a Notes
open -a Mail
他にも、提携ASPサイトをまとめて表示するコマンドファイルやPython学習をする用コマンドファイルを作っています。超便利ですよ!
コラム:ちょっとした注意点
もうちょっと自由に使いこなすために、もう少しプラスαで覚えておくべき知識を紹介します。
名前にスペースが入ったアプリの記述
名前にスペースが入ったアプリの記述には注意が必要です。Google ChromeやMicrosoft Word、Adobe Photoshop 2020などです。
これらは、単にアプリ名を入力するだけではうまくいきません。
open -a google chrome
正確には、スペースの前に半角バックスラッシュ「\」を入力したあとに半角スペースを入力します。バックスラッシュ「\」はBackSpaceキーの左隣にあります。
open -a google\ chorome
日本語のアプリ名の記述
Mac標準ソフトのメモ.appやプレビュー.appなどはアプリ名が日本語ですが、この場合記述が実際のアプリ名と少し異なります。代表的なアプリの記述方法を紹介しておきます(ターミナルで入力する際は、.appはあってもなくても大丈夫です)。
メモ.app→Notes.app
テキストエディット.app→TextEdit.app
プレビュー.app→Preview.app
メール.app→Mail.app
計算機.app→Calculator.app
システム環境設定.app→System\ Preference.app
ファイルの場所の記述
今回紹介するにあたって、ファイルを全てデスクトップ上でやりくりしましたが、それ以外の場所に保存したい場合もあるでしょう。例えば、書類フォルダーの中にある重要というフォルダーの中のtest.txtをテキストエディットで開く場合は、
open -a textedit documents/重要/test.txt
このように入力します。Macのフォルダーは下記の画像のようになっており、フォルダーの階層が進むごとにスラッシュ「/」で区切ります。

基本的には自分のユーザーフォルダーからの場所を指定すればOK。
例えば自分のデスクトップ内にあるshoplist.pdfというファイルを指定する場合、
/Users/自分の名前アカウント名/Desktop/shoplist.pdf
/Desktop/shoplist.pdf
Desktop/shoplist.pdf
さらに指定方法2の最初のスラッシュ「/」を省略した指定方法3のようなのもOK。ただし指定方法1の場合は最初のスラッシュ「/」を省略できません。
ちなみにこの記事では指定方法3を使って紹介しました。
アプリケーション名やファイルの場所を調べる方法←重要!
アプリケーション名の記述方法がわからない場合や、ファイルの場所の指定方法がわからない場合、そのファイルをターミナルにドラッグ&ドロップすることで簡単に調べることができます。
例えば、イメージキャプチャ.appの記述方法を調べたい場合、イメージキャプチャ.appをターミナルにドラッグ&ドロップすると、
user@Macbook Pro ~ % /System/Applications/Image\ Capture.app
のように表示されます。これはシステムフォルダ内のアプリケーションフォルダ内にファイルがあって、記述はImage\ Capture.appとすればいいということです。
ドラッグ&ドロップした後、次のコマンドを入力する際は一度Enterを押す必要があります。ドラッグ&ドロップしたままの状態で次のコマンドを入力しても正常に作動しません。
このようにアプリケーション名の記述方法がわからない場合や、ファイルの場所の指定方法がわからない場合は、ドラッグ&ドロップで解決!
うまく開かない場合
今まで紹介した方法でうまくいかない場合、アプリ名を間違えている、ファイルの場所の指定方法や名前を間違えているなどの原因が考えられます。
アプリ名を間違えている場合、例えばsafariをsafaraと入力ミスした場合、コマンドファイルを実行すると、
Unable to find application named 'safara'
と表示されます。直訳すると「’safara’という名前のアプリを見つけらません」ということです。
また、ファイルの指定方法や名前を間違えている場合、コマンドファイルを実行すると、
The file /Users/KANMARU/documents/重要/tesst.txt does not exist.
と表示されます。直訳すると「’tesst.txt’は指定した場所に存在しません」ということです。
もしうまくいかない場合はこの辺りの表示を確認するとどこを間違えているかを発見することができるかもしれません。
まとめ:作業画面は1クリックで準備して効率UP!
いかがでしたか?
作業画面を開くのは毎日する作業なので、少しでも早くなるだけで効率アップです。ぜひ実践してみてくださいね!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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