この【GarageBandの使い方】は、Macに標準でインストールされている音楽ソフトであるGarageBandの一通りの使い方をなるべく丁寧に解説していくシリーズです。
最終的には本格的な作曲や、歌ってみたの作成、MIDIコントローラーを接続して演奏を楽しめるくらいのレベルの内容を解説できたらと思っています。
第1回となるこの記事では、GarageBandの起動から作業画面の見方、簡単な曲作りや書き出しまで、GarageBandの超基本的な使い方を解説しています。
GarageBandの使い方:起動してみよう!
まずは今回の主役となるGarageBandを起動してみましょう。FinderのアプリケーションフォルダやLaunchpadなどから開きます。
【覚えておくと便利】Spotlight検索から
GarageBandの使い方には直接関係ありませんが、Macを使う上で覚えておくと便利なショートカットを紹介しておきます。
「⌘command + スペース」で立ち上げることができるSpotlight検索です。
Spotlight検索はMac特有の機能で、Mac内の全てのファイルを検索できるだけでなく、ウェブや辞書なども同時に検索してくれたり、アプリケーションの起動もできるなど、非常に便利な機能です。Macユーザーなら知っておきたいショートカットとなっています。
このSpotlight検索で「GarageBand」と入力してReturnキーを押すだけで、GarageBandを起動することができます。マウスを一切触らずにアプリケーションを立ち上げることができるというメリットがあります。(実際は「Gara」くらいまで入力すればOKだと思います。)
インストールしていない場合はApp Storeから
GarageBandはMacに標準でインストールされていますが、過去にアンインストールしたりしている場合は、MacのApp Storeから無料でインストールできます。
GarageBandの使い方:初回起動時のあれこれ
GarageBandを初めて起動した際、「基本サウンド」と呼ばれる最低限の素材ファイルのダウンロードが始まります。後でダウンロードすることもできますが、GarageBandを触ってみる上で最低限の素材ファイルは欲しいのでダウンロードしておきましょう。
ネット環境にもよりますが、私の場合は2分くらいで終わりました。
途中パスワードを求められるので、入力してインストールします。
ネット環境にもよりますが、私の場合は2分くらいで終わりました。
続いて、「追加サウンド」と呼ばれる、基本サウンド以外の全ての素材をダウンロードするかを尋ねられます。これは基本サウンドよりもかなりファイルサイズが大きいのでダウンロードに時間がかかります。後でダウンロードすることもできますので今回はとりあえずキャンセルしておきましょう。
GarageBandの使い方:ファイルを作成してみよう!
ここまでで一通りの準備が整いました。いよいよファイルを作成してGarageBandを触っていきましょう!
左メニューの新規プロジェクトから空のプロジェクトを選択します。
下の「詳細」をクリックすることで、作成する曲のテンポやキーを選択することができます。
今回は何も変えずにそのままにしておきます。右下の「選択」をクリックすればファイルの作成が始まります。
ファイルの作成が完了したら、最初にどのタイプのトラックを使うか選択できます。
今回は一番左のソフトウェア音源を選択して右下の作成をクリックしましょう。
GarageBandの使い方:作業画面の見方
これがGarageBandの作業画面になります。ミュージックタイピングというウインドウは今は不要なので消しておきます。
作業画面を5ブロックに分割して、それぞれの役割などを解説していきます。一応各部分に名称があったりしますが、覚えなくて良いです。
【中央】ワークスペース
まずは真ん中のワークスペース。作業の中心となるスペースです。
ここに音素材を並べて曲を作っていきます。様々な楽器や効果音、ギターやマイク音声などをどんどん追加していくことができます。
このワークスペースでは、とりあえず以下の4点を抑えておきましょう。
名前 | 内容 | |
1 | トラック | 曲で使用する各音色(楽器) |
2 | オブジェクト | 各トラックで使用するオーディオ素材や演奏ファイル |
3 | 小節 | 小節数が表示される |
4 | 再生ヘッド | 再生ボタンを押した際、再生ヘッドの位置から曲が再生される |
この辺りは文字を読むよりも、実際に使ってみる方が分かりやすいと思います。
【左】ライブラリ
画面左のスペースは音色(楽器)のライブラリを表示できます。
ピアノやギター、シンセサイザーやドラムなどの様々な楽器の様々な音色が収録されています。これらの楽器を自由に組み合わせて曲を作っていきます。
【右】ループブラウザ
画面右側のスペースはループブラウザ。Apple Loopsと呼ばれる高品質な音源素材が収録されています。追加サウンドも含めると、なんと12,000以上も。
このApple Loopsを組み合わせることで、作曲知識がなくても簡単に曲を作ることができます。
【下】Smart Control領域・エディタ
画面下部のスペースでは、音にエコーなどのエフェクトをかけたり、設定を行うことができます。
この下部スペースには他にもエディタと呼ばれる画面を表示できます。このSmart Control領域とエディタは非常に重要なので、次回以降に詳しく解説します。
【上】メニュー
画面上部には今までに紹介したスペースを開閉するボタンや再生・一時停止などの各コントロールボタン、マスターボリューム(曲全体のボリューム)スライダなどがあります。
GarageBandの使い方:Apple Loopsで曲を作ってみよう!
なんとなーく画面の見方を勉強したところで、ここからはApple Loops(音源素材)だけを使って、実際に曲を作ってみましょう!適当に素材を並べるだけでそれっぽい曲ができるので楽しいですよ~。
右上のループブラウザボタンをクリックしてループブラウザを開きます。
収録されているApple Loopの一覧が50音順にズラーッと表示されます。
この中でグレーの文字で表示されている素材については、追加サウンドをダウンロードすることで使用できるようになります。今回は基本サウンドのみを使っていきます。
ちょっと下にスクロールすると、白文字で表示された使用可能な基本サウンドの素材がでてきました。これらの素材はクリックすることで試聴することができます。試しに最初に出てきた「80s Back Beat 01」をクリックしてみましょう。おぉ~、いい感じのドラムの音源素材ですね。
ではこの素材を今回作る曲に使用してみましょう。
真ん中のワークスペースの何も無いところにドラッグアンドドロップするだけでOK。音が曲の最初から鳴り始めるように1小節目に設置しましょう。違う場所に置いてしまった場合は、置いたオブジェクトの真ん中あたりを持って左右にドラッグアンドドロップすることで場所を変えることができます。
設置が完了したら、再生ヘッドを最初に持ってきて再生してみましょう。先ほど試聴したドラムの音が流れてきます。
しかしこのままだと素材1個分の8カウントで終わってしまいます。もう少し長さがほしいので、この素材をループさせてみましょう。
オブジェクトの右上端にカーソルを持っていくとグルっと円を書いたようなカーソルになります。
その状態のまま右上端をつかんで右にドラッグアンドドロップすることで、そのオブジェクトをループさせることができます。今回は8小節目までループさせました。
同じようにして、他の素材も使ってみましょう。
続いては「80s Dance Bass Synth 06」というシンセサイザーの音源を使ってみます。先ほどと同じようにしてワークスペースに設置していきましょう。
同じようにループもさせておきました。再生してみましょう。
これで完成度はさておき、ドラムとシンセサイザーを組み合わせた曲として成立しています!
Apple Loopsの色について
ここまでやってみて、Apple Loopsには、青色の素材と緑色の素材があることに気づいたでしょうか。
上の例でいうと、1つ目のドラム素材は青色、2つ目のシンセ素材は緑色でした。
青色は「録音されたオーディオ素材」、緑色は「打ち込んで作られたオーディオ素材」という違いがあります。
簡単に言えば、青色素材は音色や音階を簡単に変えることができず、緑色素材は音色や音階を簡単に変えることができるという特徴があります。
緑色の素材の音色を変えてみる
ということで、緑色素材の音色を変えてみましょう。音階などの変え方は次回以降に解説します。
ライブラリボタンをクリックしてライブラリを開きます。
音色を変更したいトラックをクリックして、ライブラリから好きな楽器の音色を選択するだけです。
かなりの音色がありますが、1つ1つが特徴を持った高品質な音色ばかりなので、どの音色にするかを考えるだけでもかなり楽しめます。
不要なオブジェクトやトラックを削除する
どんどんApple Loopsを重ねていきます。次は「80s Synth FX Riser 02」を使ってみます。曲の盛り上がりに使えそうだなということで、後半部に設置してみました。
聞いてみるとやっぱりいらないな~。ということでオブジェクトを削除してみましょう。オブジェクトをクリックしてDeleteキーを押すだけです。
また、トラック自体が不要になった場合は、トラックを選択してDeleteキーを押すことで削除することができます。
80s Synth Riser 02があったオーディオ 2というトラックと、最初に作成したClassic Electric Pianoのトラックを削除しておきましょう。
保存はこまめに!
ファイルはアプリケーションメニューの「ファイル → 保存」で保存できます。ショートカットは「⌘command + S」です。こまめに保存する癖をつけておくと良いですよ~。
Apple Loopsや音色を追加でダウンロードしてみる
ここまで触ってみると、やっぱり他のApple Loopsや音色も試したい!となりますよね。ということで追加サウンドをダウンロードしてみましょう。初回起動時にダウンロードした場合は不要です。
個別にダウンロードする方法
個別にダウンロードする場合、Apple Loopや音色の横にあるダウンロードボタン(○の中に↓があるボタン)をクリックします。
追加サウンドは全部で20GB程度あるため、まとめてダウンロードするのは容量的にちょっと…という方はこの個別ダウンロードで必要な分だけダウンロードすることができます。
まとめてダウンロードする方法
Macの容量に余裕がある場合はまとめてダウンロードしておくことをおすすめします。
アプリケーションメニューの「GarageBand → サウンドライブラリ → 利用できるすべてのサウンドをダウンロード」をクリックします。
ネット環境にもよりますが、私は30分程度でダウンロードできました。
GarageBandの使い方:作った曲を書き出してみよう!
最後に、作った曲の書き出しについて解説します。
GarageBandでは、基本的にMacのミュージックアプリに書き出すことになります。
アプリケーションメニューの「共有 → 曲を”ミュージック”に…」をクリックします。
曲の情報を入力します。音質は最高品質にしておけばOKです。右下の共有ボタンをクリックすれば書き出し作業が始まります。
無事にミュージックに書き出すことができました。これでYouTubeに曲を投稿したり、iPhoneで聞いたりできます。
【GarageBandの使い方】第1回 まとめ
第1回で解説した内容まとめ
- 起動から書き出しまでの一通りのやり方
- 作業画面の見方
- Apple Loopsでの曲の作り方
- Apple Loopsの青色と緑色の違い
- 緑色素材の音色の変え方
【GarageBandの使い方】の第1回となるこの記事では、GarageBandの起動から作業画面の見方、簡単な曲作りや書き出しまで、GarageBandの超基本的な使い方を解説しました。
この時点で、Apple Loopsを組み合わせて曲を作ったり、音色を変えて多少のオリジナリティを出せるようになりました。
次の第2回では、重要な機能の解説や打ち込み作業のやり方など、“自分で”曲を作るための知識をどんどん解説していきます!
ということでまた第2回でお会いしましょう~!では!
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