こんにちは!現役数学科ブロガーのかんまるです!
この記事では、“やさしい”なのに”やさしくない”でお馴染みのやさしい理系数学(通称やさ理)を現役数学科である筆者がレビューしていきます。
やさしい理系数学の難易度は?分かりやすい?どんな人におすすめ?いつ頃勉強するのが良い?などの疑問にお答えしていきます。
- “やさしい”わけではない!本当は難関大以上志望者向けの演習書
- コンパクトな解答が受験本番の記述練習になる!
- 別解の豊富さがピカイチ!1つの問題に対して様々なアプローチが学べる!
この受験参考書レビューシリーズでは、僕が実際に受験期に使っていた参考書をレビューしています。他の参考書レビューはこちらからどうぞ。
やさしい理系数学(やさ理)の基本情報
タイトル | やさしい理系数学 三訂版 |
著者 | 三ツ矢和弘 |
出版社 | 河合出版 |
タイプ | 問題集 |
ページ数 | 問題編135ページ、解答編140ページ |
価格 | 1,386円 |
河合出版のサイトでやさしい理系数学のサンプルを読むことができます。
>>やさしい理系数学 -三訂版- サンプル
やさしい理系数学(やさ理) の特徴は?
やさしい理系数学は、1冊で数ⅠA~Ⅲまでを網羅した問題集です。やさ理の特徴を見ていきましょう。
やさしい理系数学(やさ理) の難易度
まず難易度について。冒頭でも書きましたが”やさしい”理系数学ですが、難易度は全然優しくないです。
収録問題はどれも難関大の過去問や頻出問題となっているため、難関大志望者向けの問題集となっています。
やさしい理系数学(やさ理) の問題数
やさしい理系数学は、例題50題、演習150題の計200題が収録されています。
例題は理系受験生に欠かせない内容と本書内で紹介されていますが、やはり例題でもそれなりにレベルが高いです。
演習は歯ごたえのある問題ばかりで、これをやり終えたら数学が相当得点源になります。
やさしい理系数学(やさ理) の構成
やさしい理系数学は、問題編と解答編の分冊になっています。
問題編は例題とその解答、演習問題が掲載されており135ページあります。
解答編は演習問題の解答が掲載されており140ページあります。
分野ごとに問題が分かれており、各分野の問題数は次のとおりです。
分野 | 例題 | 演習問題 |
第1章 数と式、論証 | 4 | 14 |
第2章 関数と方程式・不等式 | 3 | 9 |
第3章 平面・空間図形 | 3 | 10 |
第4章 図形と方程式 | 3 | 10 |
第5章 三角・指数・対数関数 | 2 | 8 |
第6章 微分法 | 3 | 7 |
第7章 積分法 | 5 | 10 |
第8章 数列 | 3 | 10 |
第9章 ベクトル | 3 | 10 |
第10章 場合の数と確率 | 4 | 11 |
第11章 複素数平面 | 3 | 10 |
第12章 式と曲線 | 2 | 8 |
第13章 関数と数列の極限 | 3 | 8 |
第14章 微分法とその応用 | 3 | 8 |
第15章 積分法とその応用 | 6 | 17 |
全ての分野で10題前後の問題が収録されています。難関大では必須の論証力が第1章で身につくのが良いですね。
さらに苦手分野の補強や頻出分野の強化に分野別の参考書を使うのもおすすめです。
やさしい理系数学(やさ理) の分かりやすさ
やさしい理系数学の解答・解説の分かりやすさは必要十分といった具合です。丁寧すぎずにサクサク解答・解説が進んでいくので、やさ理で演習できるレベルの人には逆にこれくらいがちょうど良いです。
また、コンパクトな解答に慣れることで、受験本番でキレイな解答を書けるようになるので、やさ理の解答・解説はちょうど良いところを突いているなと感じます。
やさ理の解答で特筆すべきは、別解の豊富さです。多いものだと1つの問題に対して6つの解答が載ってたりします。別解を知ることは、問題に対する様々なアプローチを知ることになるので、入試本番に役立ちます。
やさしい理系数学(やさ理) はどんな人におすすめ?やる時期は?
やさしい理系数学は、難関国公立で数学を得点源にしたい人や、最難関大受験者におすすめです。特に解答のスマートさや別解の豊富さから、数学好きの人には勉強していて楽しい問題集だと思います。
やさ理を終えた後に志望大の過去問演習に移れば、本番でも十分得点をとれる力が身につきます。
やさ理は例題含めて200題あります。1日3題解けば2ヶ月ちょっと、1日4題解けば1ヶ月半程度、1日5題で1ヶ月ちょっとで1周できることになります。
しかし1題1題が重たいので、予定通りに進むかはわかりません。余裕を持って取り組みたいです。最低でも高3の9月頃には始められるように計画を立てておきましょう。
やさしい理系数学(やさ理) に変わる他のおすすめ参考書は?
やさしい理系数学と同じく、難関大志望者の過去問前の演習に最適な問題集をいくつか紹介しておきます。
上級問題精講
基礎問題精講や標準問題精講などは聞いたことがある人も多いかもしれませんが、数学にはさらに上のレベルの上級問題精講があります。難関大の過去問を中心に1冊あたり150題程度収録されています。解答・解説がこのレベルの問題集の中ではトップクラスの分かりやすさです。
ハイレベル数学の完全攻略
こちらは1冊あたり40題程度と絞られた問題数で入試直前の総仕上げにおすすめ。こちらも解答・解説の分かりやすさがトップクラスで、少ない問題からでも吸収できるものは多いです。コスパの良い問題集と言えます。
駿台文庫のサイトで一部試し読みできます。
>>ハイレベル数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの完全攻略|駿台文庫
>>ハイレベル数学Ⅲの完全攻略|駿台文庫
やさしい理系数学(やさ理) のレビューまとめ
やさしい理系数学は、まとめると「難関大以上を目指す人向けの難しめの演習書、別解の豊富さはピカイチ」です。
解答のコンパクトさや別解の豊富さが本当に素晴らしいです。数学好きに特に刺さる1冊だと思います。自分もそうでした。
逆に、「数学はあまり得意ではないけど頑張って上のレベルの問題を演習してみたい!」という人は、やさ理に変わる参考書で紹介した上級問題精講やハイレベル数学の完全攻略などが解答・解説が丁寧なのでおすすめです。
難しいですが、じっくり取り組んで他の受験生に勝てる数学力を身につけましょう!
この受験参考書レビューシリーズでは、僕が実際に受験期に使っていた参考書をレビューしています。他の参考書レビューはこちらからどうぞ。
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