この記事では、動画編集にテンキーを使うことで作業が効率化できるという話をします。具体的にテンキーを動画編集ソフトで使う方法やメリットなども解説します。
テンキーレスキーボードを使用している人でも、1,000円以内で買える外部テンキーを使用することで、効率化を図ることができます。
理由は詳しく解説しますが、個人的には「テンキーレスキーボード + 外部テンキー」の組み合わせがおすすめ。
ゲームパッドを左手デバイス化して動画編集の効率化する方法も紹介しています。
動画編集にテンキーを使うメリット
動画編集ソフトには、非常に多くのショートカットが存在します。これらを覚えれば作業効率を大幅に上げることができますが、かなり煩雑ですよね。
自分がよく使う機能だけに絞ってもあらゆる組み合わせがあり覚えるのが大変。さらにショートカットを覚えたとしても、毎回指を運ぶのが面倒。動画編集は時間がかかる作業なので、なるべく無駄を省きたいと思うわけです。
動画編集ソフト側でショートカットをいじればいいのでは?
そんな声が聞こえてきます。
が、結局どのキーにショートカットを割り当てるかとか、必然的に既存のショートカットを崩すことになるので、そういったところに脳のリソースを割くのはイマイチ賢いとは言えません。
これらの懸念点を解消するのがテンキー
テンキーなら、必要な機能を整然と並べられたキーにショートカットを割り当てることができ、覚えやすいです。
さらに既存のショートカットを崩すことなくテンキーに割り当てることができるので、キーボードを使ったショートカットも今まで通り使えます。
動画編集においてテンキーは、必要な機能だけを簡単に1箇所に集めることができる最高の効率化デバイスなのです。
動画編集でのテンキー、キーボード、マウスの使い分け
とはいっても、テンキーをどのように自分の環境に取り込むかという具体的な想像がなかなか難しいと思いますので、導入パターンをいくつか紹介しておきます。
「効率化」という観点から、なるべく手を動かさないような使い方ができるように考えています。
1. 右手マウス 左手外部テンキー【テンキーレス向け】
最もおすすめの構成。
カット作業など、少ないショートカットだけで完結する作業を左手の外部テンキーだけで行い、補助的にマウスを使う。キーボードはほぼ使わない。
2. 右手マウスorキーボード 左手キーボード【テンキーレス・あり両用】
一般的なキーボードとマウスの作業環境に、便利なボタンを詰め込んだテンキーを補助デバイスとして使う。
よく使うショートカットを割り当てておけば、あらゆる場面で効率化を図れる。
3. 右手テンキー 左手キーボード【テンキーあり向け】
上級者向け構成。
ある程度キーボードのみで作業できる人で、補助的にテンキーを使う。
正直テンキーを使うメリットは少ない。
テンキーにショートカットを割り当て可能な動画編集ソフト
数ある動画編集ソフトの中で、テンキーにショートカット割り当てができるものを紹介します。他のソフトでもできるものはあると思いますが、今回確認がとれたのは以下のソフトになります。
- Premiere Pro(Win、Mac対応)
- Final Cut Pro(Mac対応)
- DaVinci Resolve(Win、Mac対応)
もしこの記事を読んでいる方で、動画編集ソフトを迷っている方はPremiere Proがおすすめ。ユーザーが多くノウハウがネットで検索すればたくさん出てくる点と、機能豊富なプロ向けソフトを月額制で使える点がGOOD。
動画編集用に購入した外部テンキー
先ほどの画像にも写ってましたが、今回動画編集の左手デバイスとして購入した外部テンキーは、BUFFALOのBSTK100WHという製品。
とにかくテンキーとして使えたらOKということでAmazonで安いものを購入しました。白のREALFORCEと合うように、テンキーも白を選択しました。
購入時の価格は746円。記事作成時にAmazonを確認したら36%OFFの478円になってました。安っ。この値段で効率化を図れるなら安すぎる投資です。
動画編集ソフトでテンキーにショートカットを割り当てる
ここからは具体的に動画編集ソフトでテンキーを使うための手順を紹介します。
今回はPremiere Proを使っていますが、先に紹介したFinal Cut ProやDaVinci Resolveなどでも同じような手順で進めることができます。
【Windowsの場合】
Premiere Proの上部メニューから「編集 → キーボードショートカット」をクリックします。
【Macの場合】
Premiere Proの上部メニューから「Premiere Pro → キーボードショートカット」をクリックします。
【以下Win&Mac共通】
この画面でショートカットを管理します。新たにショートカットを割り当てたり、既存のショートカットを確認・変更・削除できます。
左下に割り当てることができるコマンドの一覧があります。かなりの数がありますが、スクロールしながら割り当てたいコマンドを探しておくと良いです。
※右側にテンキーの図が表示されていない場合は、テンキーを接続して再度キーボードショートカットウインドウを開きます。
試しに「長方形ツール」をテンキーの「1」に割り当ててみます。
コマンド欄から長方形ツールを探すか検索し、ショートカットの欄をクリックします。
キー入力ができる状態になるので、テンキーの「1」を押します。
右のテンキーの図の「1」に長方形ツールが表示されていればOK。
コマンド欄から、右のテンキーの図にドラッグすることでも割り当てることができます。
今回割り当てたカット作業特化のショートカット
キー | 内容 | 既存のショートカット |
0 | ||
1 | 前の編集点へ移動 | ↑ |
2 | ||
3 | 次の編集点へ移動 | ↓ |
4 | 左へシャトル | J |
5 | 再生ヘッドでクリップを選択 | D |
6 | 右へシャトル | L |
7 | 前の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミング | Q |
8 | シャトル停止 | K |
9 | 次の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミング | W |
. | 編集点を追加 | Ctrl + K |
Enter | 取り消し | Ctrl + Z |
+ | やり直し | Ctrl + Shift + Z |
– | リップル削除 | Alt + BackSpace |
* | ズームイン | : |
/ | ズームアウト | – |
これだけでカット作業ができます。JKLと上下キーのおかげで、マウスがなくても再生ヘッドを自由自在に動かせます。
割とこだわった配置になっているので、すぐに慣れます。
ホームポジションは4・8・6・Enter。
4 8 6と1 3で再生ヘッドを動かし、. 5 7 9 -でカット作業を行います。後はよく使うundoとredo、タイムラインのズームイン・アウトを割り当てています。
左手で使うことを想定しているので、ホームポジションから押しにくい0と2には割り当てていません。
JKLが使える動画編集ソフト
そもそもJKLのショートカットをご存知でしょうか。
キーボードを見るとJKLは横並びになっています。真ん中のKを中心に考え、Lを押せば順方向に等倍速で再生(スペースバーを押した時と同じ)、もう一度Lを押せば2倍速、もう一度で4倍速…という風になっています。Jはこれの逆再生版。Kで再生停止。
さらにJKLの優秀なところは、Kを押しながらLを押せば1フレームずつ右に、Lを長押しで順方向にスロー再生ができます。Jはその逆方向版ですね。これを駆使することでJKLだけで再生ヘッドを自由に動かせるわけです。
要するに、JKLの3キーだけで各方向への再生・早送り・スロー・コマ送り、停止ができるというわけです。
さらに編集点同士を行き来する上下キーを組み合わせることで、5つのキーだけでスピーディーに再生ヘッドを動かしながらカット作業が行なえます。
ちなみに以下の編集ソフトでJKLが使えることが確認できています。
以下の記事でJKLの詳しい使い方や凄さを語っていますので、気になる方はぜひ。
おすすめ外部テンキー
ここからはテンキーを導入したい方に向けて、おすすめの外部テンキーをいくつか紹介しておきます。テンキーにも様々な種類がありますので、ニーズに合わせてどうぞ。
【大人気】iClever IC-KP08
Bluetoothテンキーの大人気製品。超薄型と丸いキーが特徴。なにより左手デバイスとしての人気も高く、ショートカットを書き込める専用のシールが付属しているくらい。左手デバイスとしてのテンキーを探している方は最有力候補になると思います。カラーはブラック・ホワイト・ピンク・ミントグリーン。記事作成時のAmazon購入価格は2,499円。
【格安】BUFFALO BSTK100
最初に紹介した、僕が使用しているテンキーです。とにかく安い。それでいてテンキーとして必要十分な動きをしてくれています。打鍵音は大きめ。あと有線のケーブルが0.8mと短いです。安くてもOKという方に。カラーはブラックとホワイト。記事執筆時のAmazon販売価格は749円(ホワイトだけ謎のセールで478円)。
【打ち心地抜群】FILCO Majestouch TenKey Pad 2 茶軸
Macには非対応。数々のメカニカルキーボードを販売している人気ブランドFILCOのメカニカルテンキー。メカニカルなので打ち心地は抜群。打ち心地と静音性のバランスが取れた茶軸、しっかりした打ち心地重視の青軸、静音重視のピンク軸があります。カラーはブラック・ホワイト・カモフラージュ。記事作成時のAmazon販売価格は3,918円。
まとめ:動画編集×テンキーで効率化!
- 動画編集におけるテンキーは、必要な機能だけを簡単に1箇所に集めることができる最高の効率化デバイス!
- 特にカット作業におすすめ!左手テンキー、右手マウスでカット作業の効率UP!
- テンキーの有無に関わらず、JKLは覚えるべし!
- テンキーが使えるかどうか、JKLが使えるかどうかはソフトによって違う!おすすめはPremiere Pro!
テンキーは単に数字を入力するためだけのデバイスではありません。最高の効率化デバイスなのです。
BUFFALOの格安テンキーであれば1,000円以内で買えますので、ぜひ一度試してみてくださいね~。
また、「僕はこんな風にテンキーにショートカットを割り当てて便利に使っているよ~」というのがあれば、ぜひコメントで共有していただけると嬉しいです!
今回購入したもの
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