この【GarageBandの使い方】は、Macに標準でインストールされている音楽ソフトであるGarageBandの一通りの使い方をなるべく丁寧に解説していくシリーズです。
最終的には本格的な作曲や、歌ってみたの作成、MIDIコントローラーを接続して演奏を楽しめるくらいのレベルの内容を解説できたらと思っています。
第3回となるこの記事では、マイクやギターを録音する方法を徹底的に解説していきます。スマートな録音方法やおすすめのマイクなども紹介しています。
【GarageBandの使い方 第3回】まずはじめに
この記事では、マイクやギターでの録音方法を解説します。
本編の前に1つ注意点。マイクやギターでレコーディングするときは、最初に必ずMacの音量(もしくは出力デバイスの音量)を下げてください。
マイクやギターの音をモニタリングしたり、録音した音源を聞くとき、音量調整がうまくいっていないと爆音が流れることがあるからです。
まずはいつも以上に小さい音量で再生してみて、大丈夫ならいつもの音量に戻す。これ、耳を守るためにめちゃくちゃ重要です。
【GarageBandの使い方 第3回】マイクで録音してみよう!
ではここから本題。まずはマイクを使った録音方法を解説します。Macの内蔵マイクを使用することができるので、マイクを持っていない方でも大丈夫!
マイク用のトラックの準備
まずはマイク録音用のトラックを準備しましょう。ワークスペース左上にある「+」ボタンをクリックします。
表示されるトラックタイプの中から、マイクの絵が表示されているものを選択します。
ここでは説明のために、最初はMacの内蔵マイクを使用します。マイクの設定についてよく分からない方は、画像と同じように音源の接続先をMacの内蔵マイクにしておきましょう。演奏や録音中に自分の音源の音を聴くのチェックは、とりあえず外しておいてください。
「オーディオ 1」という新しいトラックを作成できました。後から見たときに、なんのために作ったトラックなのかをわかりやすくするために、トラック名を変更してみましょう。
トラック名が表示されている部分をダブルクリックすることで、トラック名を編集することができます。
「マイク」に変更しておきました。
録音する前に、マイクが正しく反応しているかをチェックしておきます。その場で「あー」と言ってみてください。いわゆるマイクテストですね。マイクチェックワンツー。
マイクが正しく反応している場合、トラック内のオーディオメーターが動きます。動いたらOK。
逆に、オーディオメーターが動かない場合は、マイクが正しく設定されていません。この後解説する「マイクを接続してみよう – 入力デバイスを設定する」を参考にマイクを正しく設定してください。
録音してみよう!
これで録音する準備は整いました。試しに録音してみましょう!
録音ボタンは、画面上部のメニューにある真っ赤な丸いボタンです。クリックすると録音が開始されます。
録音が完了したら、再度録音ボタンを押すか、再生ボタンを押すことで録音が終了します。
最初に解説した通り、録音した音源を聞くときは、念のためにMac側で音量を下げてくださいね。
カウントインとメトロノーム
録音を始める前のカウント(カウントイン)や、録音中のメトロノームが不要な場合は、上部のメニューバーでON/OFFすることができます。好みに合わせて使い分けましょう。
音量調節に関するあれこれ
GarageBandで音量を調節する方法をいくつか紹介しておきます。
マスターボリューム
画面右上にあるマスターボリュームは、GarageBandから流れるすべての音量をまとめて調節することができます。右にドラッグすると大きく、左にドラッグすると小さくなります。
トラックボリューム
トラックごとに音量を調節することができます。
録音レベル
画面下部にあるSmart Control領域内で、録音レベルを調節することができます。実際に声を出しながら、トラックボリュームのメーターが赤く振り切らないように録音レベルを調節します。赤く振り切ってしまうと、音が割れてしまいます。
自分の声をリアルタイムで聞いてみよう!
GarageBandでは、マイクの拾う音をリアルタイムで聞くことができます。音をリアルタイムで聞くことをモニタリングと呼びます。
モニタリングをするときに、注意すべきことが2つあります。
- Macの音量が下がっているか
→ 爆音対策 - イヤホンかヘッドホンを使っているか
→ スピーカーから流れた音をマイクが拾い、その音がまたスピーカーから流れ、それをまたマイクが拾い、それをまた…というループによる「キーン」という音(ハウリング)を防ぐため。カラオケでよくあるやつです。
画面下部のSmart Control領域にある「モニタリング」でON/OFFできます。もちろんモニタリングONの状態で録音することもできます。レコーディングの際の重要な機能なので、注意点を踏まえながら使ってみましょう!
【GarageBandの使い方 第3回】マイクを接続してみよう!
ここまで、内蔵マイクを用いて解説してきましたが、内蔵マイクの音質は良いとはいえません。
ちゃんと歌や声を録音したいときは、たとえ安いものであっても外部のマイクを使うべきです。ここでは、GarageBandで外部のマイクを使用するための設定を解説していきます。
「そこまでは求めてないぜ!GarageBandの使い方さえ分かればええんや!」という方は次の「録音に関する便利機能」まで読み飛ばしてくださいね~!
マイクの接続方法について
マイクとパソコンを接続する方法は、主に2通りあります。
王道はオーディオインターフェイス
マイクとパソコンは、多くの場合オーディオインターフェイスと呼ばれる機械を介して接続します。
オーディオインターフェイスは簡単に言えば、マイクやギター、シンセサイザーなどの音をパソコンに取り込むための機械です。オーディオインターフェイスを使えば、あらゆるマイクをパソコンに接続することができるため、使えるマイクの選択肢は多いです。パソコンで本格的に音楽を作るなら必須です。
オーディオインターフェイスは安いもので5,000円前後~、マイクは2,000円前後~くらい。
USB接続のマイクもある
最近では、パソコン接続に特化した、USB接続タイプのマイクもあります。マイクの選択肢は少なくなるものの、導入コストが低いのが魅力的です。安いものだと1,000円台からありますが、安すぎると内蔵マイクと音質があまり変わらないため、意外と購入が難しいという側面もあります。後でおすすめマイクを紹介しているので、そちらを参考にしてください。
マイクの接続方法まとめ
オーディオインターフェイス + マイク | USB接続マイク | |
音質 | やや良い~最高 | やや悪い~かなり良い |
選択肢 | 多い | 少ない |
価格帯 | 5,000円~数十万円(オーディオインターフェイス) 2,000円~数百万円(マイク) |
1,000円~20,000円 |
入力デバイスを設定する
マイクとMacを接続したら、GarageBandの設定も変更します。
上部のメニューバーから「GarageBand → 環境設定」をクリックします。
「オーディオ/MIDI」タブを開き、入力デバイスから使用するマイクを選択すればOK。
DTM初心者におすすめのマイク3選
マイク(とオーディオインターフェイス)は種類が多すぎて選ぶのが難しいので、DTM初心者におすすめのマイクを3つに絞って紹介します。迷ったらとりあえずここから選べばOKです。
888M マランツプロ MPM1000U
こちらはUSB接続タイプのマイク。見た目がかっこよくて音質も良し。5,000円以内で買えるので、気軽にマイクを試したい方におすすめです。
まずはこのあたりから初めて、さらにレベルアップしたい場合は以下のような「オーディオインターフェイス + マイク」のセットを購入すると良いと思います。
M-Audio M-Track Solo + Behringer XM8500
安めのオーディオインターフェイスとマイクですが、どちらも定評があります。1万円くらいで揃います。
特にマイクのXM8500は、格安マイクの中で大人気。ど定番マイクのSHURE SM58(1万円)と似た性能ながら2,000円台で購入できます。やや低音が強めに出ますが、コスパ最強のマイクです。
Focusrite DTMセット
マイク、オーディオインターフェイス、ヘッドホン、マイクケーブル、マイクスタンド、ポップガードとDTMに必要なものが一通りそろった初心者に嬉しいセット。これを買っておけば間違いありません。
私も7年前に2世代前のFocusriteのDTMセットを購入し、マイク、オーディオインターフェイス、マイクケーブルを現役で使っています。性能や耐久性も抜群。
DTMを本格的に始めたい方で、まとめて買っちゃいたい!という方におすすめです。
【GarageBandの使い方 第3回】録音に関する便利機能
録音に関する便利な機能を紹介しておきます。これを知っていれば、よりスマートなDTMerに。
サイクル機能
同じ箇所を繰り返し再生したいときに使えるのがサイクル機能。画面上部のメニューからリピートボタンを押すことでサイクルを有効にします。
黄色くハイライトされた小節を繰り返し連続再生することができます。
黄色いバーはドラッグで好きな箇所・長さに変更できます。
【超便利】マルチテイク録音
サイクルをONにした状態で、すでに録音した音源の上から録音してみます。
一見、すでに録音していた音源を上書きしているように見えますが、なんやら「テイク2」の文字が。音源の左上にも「2」と表示されています。試しに左上の「2」をクリックしてみると…。
テイク1として、元々録音していた音源も保存されていることがわかります。テイク〇〇というのは、ドラマの撮影風景などで耳にしたことがあるかもしれません。
このように、サイクル機能を使うことで、トラックの同一箇所に複数の録音音源を保存することができます。テイクはいくつでも重ねることが可能。
同じ箇所を何回か録音し、一番良かったテイクを採用することができるのはもちろん、「前半部分はテイク3、後半部分はテイク1を使う」なんてこともできます。レコーディングの際は、積極的に使うべき機能の1つです。
【GarageBandの使い方 第3回】不要な部分をカットしよう!
録音した音源には、必ずと行ってよいほど不要な部分が存在します。例えば録音ボタンを押してから歌い始めるまで、歌い終わってから再度録音ボタンを押すまでなど。音楽を作る上で、無駄な雑音はなるべくカットしたいですよね。
基本は⌘command + T
オブジェクトを選択し、「⌘command + T」で再生ヘッドの部分で音源を分割することができます。カットしたいらない部分は、Deleteで削除です。
再生したり、音の波形を見たりしながら、いらない部分を見極めてカットします。
ワークスペースのズームイン・ズームアウト
より丁寧に無駄な部分を省くために、ワークスペースをズームインしてみましょう。
ワークスペース右上のバーを右にドラッグすることでズームインすることができます。これでより詳細な編集が可能です。
状況に合わせてワークスペースをズームイン・ズームアウトすることで、より効率よく丁寧な作業が可能になります。
【GarageBandの使い方 第3回】ギターで録音してみよう!
これでマイクでの録音方法は一通り習得できました。
最後にギターでの録音方法も紹介しておきます。大まかな録音方法はマイクを使う場合と一緒です。なお、ギターとMacを接続するには、ギター接続に対応したオーディオインターフェイスが必要です。
ギター用のトラックを準備
まずは、マイク録音と同様に準備をしていきましょう。新規トラックでギターのイラストを選択、音源の接続先をギターと接続したオーディオインターフェイスにしておきます。
GarageBandでは、ギター用の様々なアンプシミュレーターが用意されているため、パソコン内で理想の音作りができます。
チューニングをしてみよう
GarageBandには、チューナー機能も備わっています。画面上部のチューナーボタンから起動できます。
録音してみる
録音したり、音をモニタリングしたりする手順は、マイクでの録音と同様です。
好きな音色を選んでみる
画面左のライブラリから、様々な音色を選択して聞き分けてみてください。結構ガッツリ音が変わるので楽しいです。
DTM初心者におすすめのギター
エレキギターの初心者定番セット。カラーも豊富で必要なものも一通り揃っています。これとオーディオインターフェイスを買えばもう立派なDTMerです!
【GarageBandの使い方 第3回】まとめ
第3回で解説した内容まとめ
- マイクでの録音方法
- モニタリングについて
- おすすめマイク
- マルチテイク録音
- 不要な部分のカット
- ギターでの録音方法
【GarageBandの使い方】の第3回となるこの記事では、マイク、ギターといった生音を扱う方法を解説してきました。
ここまでの3回の記事で、基本的な使い方から打ち込み、録音方法といった基本的な内容を一通り解説できました。
次回以降は、エフェクトやミックス技術など、応用的な内容や実践的な内容を扱っていきます。お楽しみに!
ということでまた第4回でお会いしましょう!では~!
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