この記事ではゲームパッドを左手デバイスとして使用する方法を紹介しています。主にPhotoShopで使用することを想定して書いています。
ゲームパッドを左手デバイス化するためにはJoyToKeyというシェアウェアソフトを使用します。各種設定方法や便利な機能、PhotoShop側の設定なども合わせて紹介します。
テンキーを左手デバイスとしてPhotoShopで使用する方法も紹介しています。
ゲームパッド左手デバイス化準備編:ソフトをダウンロード
僕はゲームパッドにPhotoShopでよく使う機能を上のように設定しています。基本的に左手のみで握って操作するため、右側にあるボタンには設定していません。
僕はPS5純正のDualSenseを使っていますが、ゲームパッドを持っていない方で、左手デバイス用に購入したい方は、Logicool製の格安ゲームパッドF310rで十分です。2,000円以下で買えて十分に使えます。
では早速ゲームパッドを左手デバイス化する手順解説をしていきます。冒頭でも説明した通り、ゲームパッドを左手デバイスとして使うためにJoyToKeyというソフトを使用します。まずはJoyToKeyをダウンロードしていきましょう。
ソフトはJoyToKeyの公式ホームページからダウンロードできます。
JoyToKeyはシェアウェアソフト(とりあえず無料で可能、気に入ったらライセンスを購入してくださいねという)形式をとっているため、無料でダウンロードすることができます。気に入った方は700円でライセンスを購入できます。
ダウンロードしたらセットアップを行っていきます。使用許諾の同意やインストール場所の指定など、よくある作業をするだけです。
セットアップが完了したらJoyToKeyを実行して、ゲームパッドにショートカットを割り当てていきます。
ゲームパッド左手デバイス化設定編
JoyToKeyの基本的な使い方からショートカットの割り当て、さらには複数のショートカットを1ボタンで実行する方法やその他の便利な機能を紹介します。
基本的な使い方
セットアップしたJoyToKeyを立ち上げます。
ショートカットを設定していく前に、ゲームパッドをPCに接続しておきましょう。
ゲームパッドが正しく認識されていれば、任意のボタンを押した時に対応する項目が黄色くハイライトされます。例えば左の画像は十字キーの左を押している状態です。
これを基にしてショートカットを割り当てていきます。
ショートカットの割り当て
設定したい項目をダブルクリックするか、設定したい項目を選択した状態で「このボタン設定を編集」をクリックします。
【キーボード:基本入力】の欄に4つのNoneがありますが、ここに1つ1つキーを入力していきます。
試しに保存のショートカットである「Ctrl + S」を割り当ててみます。
1つ目のNoneをクリックして「Ctrl」、2つ目のNoneに「S」を入力します。
これでOK。
ちなみに、入力されたキーは上から順に実行されるため、順番にはある程度注意を払う必要があります。
この場合、「Ctrl → S」の順で入力しましたが、仮に「S → Ctrl」の順で入力すれば、Sが入力された時点でPhotoShopの場合はコピースタンプツールが起動してしまいます。
入力欄を右クリックすれば、キーの削除や特殊キーの設定ができます。
特に、入力したキーの削除はBackSpaceやDeleteではなく、右クリックからClearを選択することで行いますが、最初は慣れないと思います。
1つ1つ割り当てたいショートカットを設定していきましょう。
複数のコマンド実行
JoyToKeyでゲームパッドを左手デバイス化するメリットとして、「複数のコマンドを一度に実行できる」点があります。
例えばPhotoShopで「水平方向中央揃えして垂直方法中央揃えする」みたいな作業があると思いますが、こういった複数の単純作業をボタン1つで行えます。以下はこの作業を割り当てながら解説しています。
単なるショートカットの割り当てだけではなく、この複数コマンドの実行を上手く使うことで、さらなる効率UPを見込めます。
複数コマンドの割り当ては、【キーボード(複数)】のタブで設定を行います。
複数のコマンドに対する様々な実行タイプが選択できます。
今回は1度ボタンを押した時に順に入力をしてほしいため、「ボタンが押された時入力1から入力4まで順番に入力」を選択します。
今回は「水平方向中央揃え → 垂直方法中央揃え」の作業を入力するので、入力1に水平方向中央揃えのショートカットを入力します。(PhotoShopのショートカット設定方法は次の見出しで解説します)
キーの入力方法自体は先のやり方と同じです。
入力2に垂直方向中央揃えのショートカットを入力します。
今回はこの2つのショートカットのみなので、これでOKをクリックします。最大4つのショートカットに対応しています。
他の機能
他にも【マウス】【マウス(位置指定)】【テキスト入力】【特殊機能】の設定が可能です。
左手デバイスで使うという前提で考えると、右手ではマウスを操作しているはずなので、今回は【マウス】や【マウス(位置指定)】の紹介は省略します。
ゲームパッドのみでマウス操作も行いたい場合に有用です。
【テキスト入力】は同じ文言を頻繁に打つ人や、日時を頻繁に入力する方は使えるかもしれません。
任意のテキストだけでなく、${yyyy}や${MM}など、現在の日時を入力できる変数が用意されています。
試しに画像のように入力して使ってみます。
ボタンを押すだけで日時などを入力できました。これは面白い機能ですね。
JoyToKeyの開発者様のブログで、変数の一覧を見ることができます。
PhotoShop側で必要な機能にショートカットを割り当てる
使いたい機能のショートカットがデフォルトで用意されていないなんてこともしばしば。例えば先の「水平方向中央揃え」などはショートカットの割り当てがありませんでした。
ということで、今度はPhotoShopで使いたい機能にショートカットが割り当てられていない場合の設定方法を紹介します。
PhotoShopを開き、上部メニューから「編集 → キーボードショートカット」をクリックします。
ショートカットを割り当てることができる全ての項目が表示されます。
ここから使いたい機能を探して、好きなショートカットを割り当てることになります。
例えば、「イメージ → 色調補正 → 明るさ・コントラスト…」のショートカットを割り当ててみます。
項目の右側にショートカットキーが表示されますが、「明るさ・コントラスト…」にはショートカットが割り当てられていないので、右側の空欄部分をダブルクリックします。
割り当てたいショートカットキーを入力します。
この時、高確率で他のショートカットキーと被りますが、既存のショートカットを使わない場合はそれで確定をクリックすればOK。
これでデフォルトでショートカットをが割り当てられていない機能もゲームパッドで使用することができます。
ソフトごとにショートカットを割り当てる
ゲームパッドを左手デバイスとして1つのソフトでのみ使用する場合はこの見出しは飛ばして問題ありません。
ここでは複数のソフトでゲームパッドに個別のショートカットを割り当てて使う場合の解説になります。
メイン画面で複数の設定を管理することができます。
まずは先に作った設定の名前を変更しておきましょう。左下の「名称変更」ボタンをクリックして名前を変更します。
今回はPhotoShop用としておきました。
次にこの「PhotoShop用」という設定をPhotoShop起動時にのみ使う設定をしていきます。
上部メニューから「設定 → アプリケーションとの関連付け…」をクリックします。
左下の追加をクリックします。
アプリケーション名を入力し、作った設定を選択します。
アプリケーションと紐付ける方法はいくつかありますが、「アプリケーション情報の取得…」が一番手軽ですので、この方法で解説します。
「タイマーを使ってアプリケーション情報を取得」をクリックして3秒以内にPhotoShopの画面を開きます。3秒が間に合わないという人は好きな秒数指定もできます。
うまくできれば、これだけでアプリケーションのパスを自動で入力してくれます。これでアプリと設定の紐付けはOKです。
このようにして、
- (必要なショートカットがデフォルトで用意されていない場合)ソフト側でショートカット設定を行う
- JoyToKeyでボタンにショートカットを割り当てる
- 作ったショートカット設定ファイルとソフトを紐付ける
というのが一連の流れになります。
【注意】ゲームパッドを左手デバイスとして使わない時
ゲームパッドをゲーム用にも使うなど、左手デバイスとして以外にもゲームパッドを使う方向けの注意点です。左手デバイスとしてのみ使う方は飛ばしてOKです。
JoyToKeyが起動しているときは常に設定したショートカットがボタンに割り当てられている状態ですので、左手デバイスとして使う時以外はJoyToKeyを終了させておく必要があります。
単に右上の「×」をクリックしただけではまだバックグラウンドでJoyToKeyが実行されています。
正しく終了させるには、JoyToKeyの上部メニューから「ファイル → 終了」をクリックします。これでJoyToKeyを起動している時以外は普通のゲームパッドとして使うことができます。
まとめ:ゲームパッドはゲーム以外でも活躍の場がある!
- JoyToKeyを使うことでゲームパッドを左手デバイス化可能!
- 単なるショートカットだけでなく、複数の作業もまとめて1ボタンで実行可能!
- 設定とソフトを紐付けることで各ソフトで個別のショートカットを設定可能!
ゲームパッドを左手デバイスとして使用している人は正直少ないと思います。左手デバイスとしてゲームパッドが優れているかと言われれば、正直外部テンキーの方が安くて優れているとは思います。
しかし、すでにゲームパッドを持っている方や、テンキーを追加購入するのが億劫な方には十分使えます。また、ジョイスティックが付いているので、左手デバイスでカーソル操作をしたい人にもおすすめできますね。
使い方によってはかなり作業効率を上げることができますので、ぜひ使ってみてくださいね!
PhotoShopに限らず、「ゲームパッドをこんな風に設定して便利に使っているよ~」という事例がある方は、ぜひコメントで共有していただけると嬉しいです!
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