バトロワやFPSなどのゲームで強くなってくると、作りたくなるのが「キルクリップ」。
キルクリップといえば、カッコいいBGMにキルシーンを合わせて作る動画です。一見作るのが難しそうに見えますが、”それなりにカッコいい”くらいのキルクリップなら意外と簡単に作れます。
具体的にこの記事では、以下の動画くらいのクオリティのキルクリップの作り方を紹介しています。
また、この記事で紹介している内容を参考にすれば、どんどんオリジナリティあふれるキルクリップを作成できるようになります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
準備:動画編集ソフトと各素材を用意する
- 動画編集ソフト
- ゲーム画面の録画素材
- BGM
- エフェクト など
キルクリップを作るために用意するのものは大体こんな感じです。1つずつ軽く紹介しておきます。
動画編集ソフト
ある程度の機能があればスマホのアプリでも何でもOKですが、しっかりしたキルクリップを作りたいならPCでの編集をおすすめします。
PCの動画編集ソフトの中でもおすすめはAdobeのPremiere Pro。プロ向けのソフトなので何でもできます。サブスク制なので、プロ向けソフトを気軽に使えるのが嬉しいポイント。無料体験あり&学割ありです。
この記事でもPremiere Proを使いながら解説していますので、真似しながら作業したい方はPremiere Proを使うと良いですよ。
ゲーム画面の録画素材
キルクリップを作るので、キルしている場面をある程度用意しましょう。動画のクオリティを落とさないために、録画設定はなるべく60FPSにしておきましょう。
余裕がある人は、144FPSや240FPSで録画するのもありです。他のキルクリップと差別化を図れます。以下の記事で高フレーム録画方法と高フレームで録画するメリットを解説しています。
BGM
なるべくキルシーンをかっこよく見せるために、かっこいいBGMを用意します。フリーBGMであれば好きなものでOKですが、キルクリップにはEDMのような曲が使われていることが多いですね。
作成したキルクリップをYouTube等にアップする場合は、使用する楽曲がちゃんとフリーBGMなのか、クレジット表記は必要なのかなどはしっかり確認しておきましょう。
今回は、D-elf.comという音源配布サイトからダウンロードした曲を使用しました。
エフェクト素材など
動画用のエフェクトなどを用意しておくと、動画のクオリティを簡単に上げることができます。今回の動画では、ちょっとしたVHSビデオのノイズのようなエフェクトを使用しています。「オーバーレイ 動画素材」などで検索すると、今回使用するようなエフェクトが色々見つかります。
キルクリップの作り方
ではキルクリップの完成に向けて、1ステップずつ解説していきます。先ほど紹介した通り、今回使用する編集ソフトはAdobeのPremiere Pro です。
なぜ今その作業をするのか?という部分が伝わりやすいように、適宜途中経過の動画もご紹介します。また、動画編集の知識やPremiere Proの使用経験がなくても真似できるようになるべく詳しく解説しています。
が、今回はPremiere Proの使い方ではなくキルクリップの作り方が主題なので、画面の見方やカット作業などPremiere Proの超基本的な使い方の部分はある程度割愛しています。
分からないところがあれば、以下の記事と合わせながらご覧ください。それでも分からないところがあればお気軽にコメントお願いします!
クリップを並べる・カットする
Premiere Proで新規プロジェクトを作成、各素材を読み込んだ状態です。今回は解説用なのでカット済みの2つのクリップのみを使って編集していきます。
まずは1つ目の「キルクリップ元素材.mp4」を画面下部の空のタイムラインにドラッグします。
同じようにどんどんクリップを並べていきます。今回は2つのクリップのみを使用するので、これでOK。不要な部分をカットしたい場合はこの時点でカットしておくと良いですね。
途中経過
音楽をつける
次に音楽を付けます。使用したいBGMをオーディオトラックの2列目(A2)にドラッグするだけです。
途中経過
曲を調整する
このままではBGMがかなり目立ってしまいますね。音量を調整しておきましょう。画面上部のメニューバーから「ウインドウ → オーディオトラックミキサー」をクリックします。
ここで各オーディオトラックの音量を調整することができます。
今回はA1にゲーム音、A2にBGMがあるので、A1を上げてA2を下げればOKですね。
つまみを上下することで音量を調整できます。実際に再生して音量を確認しながら調整していきましょう。
再生してみて、緑色のメーターが赤に振り切らないように調整すると良いです。
途中経過
音量調整はこれでOK。ただこのままだと、曲が盛り上がる前に終わってしまいます。せっかくなので曲が最も盛り上がっている部分、EDMで言うドロップの部分を使用してみます。今回は先にイメージ動画を紹介しておきます。以下のようにしたいというわけです。
イメージ動画
使用している楽曲のドロップはこの辺になります。今回はドロップのちょっと前から使ってみたいと思います。
ということで、BGMのドロップが始まるちょっと前にカットを入れて、不要な部分を消し、位置を調整します。
クリップ自体はドロップが始まると同時にスタートしたいので、クリップの再生位置を変更します。
最初の部分になにも動画が無いのは寂しいので、適当にテキストでも入れておきます。これで上のイメージ動画通りになります。
動きをつける
次に飽きない動画を作るために、見て欲しい部分に動きを加えてみます。この辺からキルクリップっぽい編集になっていきますよ~。
まずは敵を倒す最後の一撃の部分をスロー再生にしてみます。タイムラインの素材から、スローにしたい部分をカットします。
これで通常再生部分とスローにしたい部分を分けることができました。
次に再生速度を変更してスローにしていきます。スローにしたい部分を右クリックして「速度・デュレーションを変更…」をクリックします。
ここで再生速度を変更できます。100%が等倍速です。今回は25%(4分の1倍速)にしてみました。
「変更後に後続のクリップをシフト」にはチェックを入れておきます。
「オーディオのピッチを維持」にチェックを入れると音の高さはそのままに動画の速度だけをスローにすることができます。好みに合わせてチェックを入れてください。
途中経過
同じようにして、他の部分にも速度変更を適用してみます。スローだけでなく、間延びしそうな部分には早送りを入れるとよりメリハリのある動画になります。
早送りはスロー同様、「速度・デュレーションを変更…」で速度を100%以上にすればOKですね。今回は途中に速度300%を使ってみました。ちょっと見にくいかもですが、各シーンの再生速度は上の画像のようになっています。
途中経過
トランジションを入れる
シーンが切り替わるところにも動きをつけてみます。PowerPointでいうところのスライド切り替えのアニメーション的な部分です。
画面上部のメニューバーから「ウインドウ → エフェクト」をクリックします。
エフェクトの中の「ビデオトランジション」フォルダにシーン切り替えのための様々なアニメーションが用意されています。
今回は、「ビデオトランジション → Zoom」内にあるCross Zoomというアニメーションを使っていますが、ここは色々試してみてください。お好きなものを使うと、より自分の色のあるキルクリップになると思いますよ~。
ということで、Cross Zoomを適用したいシーンの間にドラッグするだけです。
ドラッグした際に上のような注意が表示されるかと思いますが、OKをクリックします。
途中経過
このアニメーションは、シーンとシーンの間だけでなく、シーンの冒頭や末尾にのみ適応することもできます。試しに1つ目のクリップの冒頭にCross Zoomを適応してみます。
Cross Zoomをシーンの冒頭部分にドラッグします。
他にも、最初のテキストにクロスフェードというアニメーションを冒頭と末尾に適応してみました。
途中経過
エフェクトをかける
よりかっこいい雰囲気を出すために、動画にエフェクト素材を乗せてみます。記事冒頭で紹介したように、今回はVHSビデオのノイズのような素材を合わせてみます。
エフェクト素材が一番上に来るように、ビデオトラックの2列目(V2)にドラッグします。
今回使用した素材が1280×720pxで読み込まれているので、サイズが動画に合っていませんね。ということでサイズを合わせてあげます。
タイムライン上のエフェクト素材を右クリックして「フレームサイズに合わせてスケール」をクリックすればOK。
サイズ調整はOKですが、エフェクト素材が邪魔をしてキルクリップが見えなくなっています。これも調整する必要があります。
画面上部のメニューバーの「ウインドウ → エフェクトコントロール」をクリックします。タイムライン上のエフェクト素材を選択した状態で、エフェクトコントロールから「不透明度 → 描画モード」でスクリーンを選択すればOK。
エフェクト素材の長さが足りない場合は、複製したりして調整しておきます。
途中経過
さらに理想の動画に近づけるために、動画の色合いを調整します。
1つ1つのシーンに色合いの設定を行うのは面倒なので、「調整レイヤー」というスグレモノを使用します。調整レイヤーは、複数のシーンに同じ設定をまとめて適応することができます。
プロジェクトウィンドウの右下の新規項目から「調整レイヤー…」をクリックします。
調整レイヤーの設定が表示されますが、とりあえずOKをクリックします。
調整レイヤーは、調整レイヤー自身よりも下の列にある全てのシーンに設定を適応できます。
今回はV1とV2にまとめて色合いを設定したいので、作られた調整レイヤーをV3にドラッグします。最初のテキスト部分は色合いを調整する必要がないので、ゲームのシーンが始まるタイミングに合わせて置けばOKです。
調整レイヤーを選択した状態で、画面上部のメニューバーから、「ウインドウ → Lumetriカラー」をクリックします。
この画面で色合いに関する様々な設定を行うことができます。
今回は簡単に色温度のみ変更してみます。色温度は数値が大きいほど暖かみのある色合いになり、小さいほど冷たい色合いになります。今回は40にしてみました。これでちょっと暖かみのある昔のビデオっぽい感じになったと思います。
途中経過
もっと動きをつける
これでもいい感じですが、さらにメリハリをつけるためにもう少し動きをつけてみます。
スロー部分をさらに強調するために、拡大アニメーションをいれてみたいと思います。スロー部分のシーンをクリックしてエフェクトコントロールを開きます。
再生バーをシーンの最初に持ってきた状態で、スケールの横にあるタイマーのようなボタンをクリックします。
次に、拡大したいタイミングに再生バーを移動し、スケールの数値に150を入力してEnterキーを押します。
最初にタイマーボタンを押したときに作成されたものと合わせて2つのポイントができました。
1つ目のポイントにはスケール100(すなわち等倍)、2つ目のポイントに150(すなわち1.5倍拡大)の情報を与えることで、2つのポイントの間でサイズが拡大されるアニメーションを作ることができます。
同じようにしてさらに150、100のポイントを作ります。
これでスケールが「100 → 150 → 150 → 100」(徐々に大きくなり、一定時間大きい状態をキープした後、徐々に元に戻る)アニメーションができました。
途中経過
スケール以外にも、回転アニメーションを入れることもできます。スケールと同じようにして「0°→ 10°→ 10°→ 0°」の回転を入れてみました。
途中経過
最終調整して完成
最後にテキスト部分にもスケールのアニメーションを加えたりして、完成です。
まとめ
- “それなりにカッコいい”キルクリップなら割と簡単に作れる!
- コツはかっこいいフリーBGM・ちょっとしたアニメーション・ちょっとしたエフェクト!
- エフェクトやアニメーションはやりすぎ注意!後は自分のセンス次第!
いかがでしたか。
割と基本的な機能を使うだけで、それなりにカッコいいキルクリップを作ることができました。
好評であれば、さらにクオリティを上げるための解説もアップしたいと思います。また、内容に関してわからないところや質問があれば、気軽にコメントしていってくださいね~!
皆さんのカッコいいキルクリップがたくさん見れることを楽しみにしています!では!
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