こんにちは!現役数学科ブロガーのかんまるです!
この記事では、代数学で群論の次に勉強する環論の初学者の方に向けて、オススメ参考書を5冊紹介します。かなり本格的に難しくなってくる分野ではありますが、ここで紹介する参考書でぜひしっかり身につけてくださいね〜。
- 1. 環論,これはおもしろい … 環の面白さを体感できる入門書
- 2. 群・環・体入門 … 本格的な教科書に入る前に最適な入門書
- 3. 代数学2 環と体とガロア理論 … 雪江先生の代数学定番の教科書
- 4. 代数学1 群と環、代数学2 環上の加群 … 比較的コンパクトな代数学定番の教科書
- 5. 代数系入門 … 代数全体を網羅した定番教科書
環論オススメ参考書:優しめの入門書
まずは初学者の人でも読みやすい優しめの入門参考書を紹介します。
この後に標準的な入門書も紹介しますが、「優しめの入門書から1冊選んで概要を掴む → 標準的な入門書から1冊選んでしっかり勉強」というルートが一番力がつくと思います。
1. 環論,これはおもしろい
数学のかんどころというシリーズの環論編です。
本シリーズは、特に難しい部分また数学全体の理解に役立つ部分を要点ごとにコンパクトにまとめたシリーズです。入門書でありながら応用まで解説されており、特に循環小数への応用はかなり興味深いです。
かなり読みやすく面白い一冊です。環がどう応用されていくのかを知れるので今後の学習のモチベーションにもなると思います。ちなみに数学のかんどころシリーズは全39巻あります。気になる分野の入門に最適です。
2. 群・環・体入門
群・環・体を一通り学べる入門書。
かなり親切に書かれており、初学者にも読みやすい一冊になっています。同じ著者による演習書もあるので、基礎がしっかり身につきます。
群・環・体が理解しやすい良書。行間がほとんどなく、初学者でも読みやすいです。ただ、これだけでは足りない部分もあるので、これでまず概要を掴んでから、次で紹介する標準的な教科書に進んでいけば、スムーズかつしっかり代数学を学習できると思います。
環論オススメ参考書:標準的な入門書
ここでは標準的な環論(代数学)の入門参考書を紹介します。
標準的とはいってますが、入門書の中では標準的くらいのものなので、いきなりこちらの参考書で勉強しても差し支えないです。
3. 代数学2 環と体とガロア理論
雪江先生の代数学シリーズの環と体とガロア理論。
かなりしっかりとした代数学の教科書です。第1章 環論の基本、第2章 環上の加群が約150ページにわたって解説されています。例が豊富で素晴らしい教科書です。
同シリーズの代数学1 群論入門が非常に人気なため、続けてこちら教科書で勉強する人が多いと思います。私もそうでした。群論入門と比べるとかなり内容が盛りだくさんになっており、難易度も上がっているためそこは注意が必要。
4. 代数学1 群と環、代数学2 環上の加群
こちらも代数学の定番の教科書。
第一巻で環の基本的な部分に触れ、第二巻で環上の加群を学びます。
1つ前の雪江先生の代数学シリーズか、こちらの大学数学の入門シリーズで代数学の教科書を揃える人が多いと思います。雪江先生の代数学シリーズに比べて、内容がコンパクトにまとまっており、1冊あたりの値段が安いです。
雪江先生の代数学シリーズの内容が重いという方はこちらがオススメです。内容は比較的コンパクトですが、演習問題が豊富で物足りないということにはならないです。私は雪江先生の教科書を軸にして、こちらを副読してました。
5. 代数系入門
集合・位相入門でお馴染みの松坂和夫 数学入門シリーズの代数版。
整数の話から始まり、ガロア理論や代数学の基本定理までを一冊で一通り学ぶことができます。
まとめ
最後に、目的に合わせてオススメの参考書を整理しておきます。自分に合った参考書を選んでじっくり勉強してくださいね〜。
- サラッと概要を掴みたい、他の教科書で挫折した人 →「1. 環論, これは面白い」「2. 群・環・体入門」
- 環の標準的な入門書が欲しい人 →「3. 代数学2 環と体とガロア理論」「4. 代数学1 群と環、代数学2 環上の加群」
- 一冊で代数学を網羅したい人 →「5. 代数系入門」
今日のひとこと
環は一つの踏ん張りところ、次に学ぶ面白いガロア理論のためにしっかり準備しとこう〜
他の分野もオススメ参考書を紹介しています↓
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